サウジ施設を攻撃したドローンてのは日本じゃ買えないぞ

中東が大変なことになり、いったい誰がやったんだとか貴重な石油がぁ〜とか、巻き込まえて世界中が動向を気にしているようです。翻って、来年の東京オリンピックは大丈夫なのか、とか。

報道だと10数機のドローンと巡航ミサイル、というように言われています。僕は軍事の素人ですが、意外に報道見る感じメディアも変わらないのかなあと思ってしまいます。おかげで、僕が普段使っているようなドローン(マルチコプター)でテロができると思われるのは困ります。必要以上に一般の人にドローンは怖いという印象を与えるのもそうですし、それが万が一妙な方向に動いて規制などになればもっと困ります。

ドローン

まず、ドローンが無人航空機全般を指すもので、それの意味はかなり広いことは興味のない人には殆ど知られていないことです。早い話、軍事用の無人航空機(UCAV : Unmanned Combat Air Vehicle)もドローンなのですが、アマゾンで2000円で買えるマルチコプター(UAV : Unmanned Air Vehicle)もドローンなので一緒くたに不安がられても困るのです。BB弾が出るおもちゃの鉄砲に対して銃は危険だ!と叫ぶようなものです。(UCAV : Unmanned Combat Air Vehicle)。今回の原油施設攻撃に使われたのは、当然UCAVに近いものです。最近になって写真出てきていましたので、気になる方はググってみてください中東が大変なことになり、いったい誰がやったんだとか貴重な石油がぁ〜とか、巻き込まえて世界中が動向を気にしているようです。翻って、来年の東京オリンピックは大丈夫なのか、とか。。

軍事のことは素人ですが、今回の攻撃で使われたタイプのドローンもだいぶ安くなってきているそうです。ただ、安いと言っても軍用のお金ですから、これがマルチコプターと別物であるのは容易に想像できます。

不安は無知から

ここまでの話を前提に色んなメディアに出てきているジャーナリストやら報道に対して反証を加えていきたいと思います。

今回のドローン攻撃のポイントは2つある。第一には、物理的なコスト、人命のコストをかけずに攻撃が可能になった、ということだ。自爆テロなどに頼ることなく、一定の金をかければ、攻撃が可能になるから、今後、テロの持続性が高まった、ということだ。そして、それは誰でもできる攻撃となったのだ。

https://www.newsweekjapan.jp/obata/2019/09/post-38_2.php ニューズウィーク日本版

誰でもできる攻撃、って…このあたりがドローンを市販のマルチコプターと勘違いしているのが明らかです。お金をかけずに、といっても個人で気軽に出せる単位ではないですよ。

たかだか数百ドル程度のドローンに対し、1発約300万ドルの高額なパトリオットミサイルで撃ち落とすのは、あまりにも割に合わない面がある。

https://jp.reuters.com/article/saudi-defense-drone-idJPKBN1W30K6 REUTERS

数百ドルのドローン。SparkかMavic Airでしょうか。前に上げた例をもう一度出すと、上の文章は「エアガンは簡単に手に入るので戦争の形は変わった」と言っているようなものです。引用から外れていますが、その下のジャミングが付近住民へ健康被害があるってのもなかなか電波です。

こんな感じの記事が大手でも出回っているので普段からドローン使っている人にとっては風評被害ハンパねえわけなんですが、これを機会にマルチコプターって言い換えようかなとも思うんですが、それだと僕の主催も「中野マルチコプタークラブ」ってなって、なんか年取ったようなネーミングになるなぁと困るわけで、せめてこれを読んだ方にはと思い誤解を解こうとキーボードをカタカタしている次第であります。

最後に、僕が普段使っているドローンですが、ミサイルとか爆発物、積めないです。僕のメインのPhantom系ですら数百gとか言われていますし、それだけ積んだら一気に飛行時間が落ちます(28分持つバッテリーが7分くらいになります、実験済み)。しかも速度も出ません。以前、Phantom系が内戦で使われたというニュースを見聞きしたことがありますが、ゲリラ戦のような、かなり限定された状況のようです。

産業用のMatrice 600(100万円くらい)であれば5kgまで詰めるようですが、それだけ積むと飛行時間は18分。しかも風にも弱いし、雨にも弱いです。デカイので日本だと軽トラとかバンでないと運用できません。テロに使うならソフトウェアを自作(あるいは改造)しなきゃいけませんので、誰でも扱えるというわけではありませんね。逆にこれをクリアすればそのくらいのテロはできるかもしれないのですが、良い子は決して真似をしないようにしてください。

2019-09-19 | カテゴリー ドローン | タグ

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