2020年3月29日(日)

柳宗悦の本を久方ぶりに読んだ。

民藝の議論はその本質を扱えば普遍的なものだけども、さて今の時代はどうだろうか。学生の頃はよく考えたりもしたものだけども。

民芸と言われて田舎の土産物屋に置いてあるようなものをイメージする人は少なくないと予想される。言葉は陳腐化する。今、民藝と同じ問題を扱うとすれば、それは民藝という単語は生まれないだろう。

歴史的には機械的に大量生産できる時代になってからは民藝的なものを議論する要素は増えた。今、民藝は生きているか。有名無名を問うだけであればそれは死んだとも言える。かつて民藝的であるものの代表でもあった焼き物も、若い作家を中心に名が出るようになった。

しかし、このこと自体は問題ではない。名が出るのは情報の伝播方法が民藝当時とは全く異なっていることもあるかと思う。和の器は個人的にはこれからもっと流行ると思うのだけど、それで有名無名を問わなければ焼き物は美しいものが多いし(変に伝統に囚われた物でなければ)、民藝的なものはこの時代にも元気に活きていると言える。

2020-03-29 | カテゴリー 写真日記 | タグ

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