いまさらながら、IKEAで買い物をしてみての正直な感想
引越し後のインテリアを揃えにIKEAに行ってきました。家から一番近いのは立川店。IKEAに行くのは、実は初めてです。これまで僕が持っていたIKEAのイメージは「北欧のスウェーデンにおけるキャンドゥみたいなもの、108円ではないが、ただしちょっとオシャレ」というくらいでした。しかし、妻と「空間における構造主義的時間論とその哲学的歴史」について論争を交わしていた折、たまたまネットで見かけたよさそうな収納がIKEAでした。百聞は一見にしかず。レンタカーを使って、久しぶりに運転もしながら立川に向かいました。
駐車場に車を置くと、動線的に2階から入ることになります。入ってその広さに圧倒されました。そしてプライスタグにも。0が一つ足りなくない?というくらいの価格でした。近くで見ると、まあ、納得でしたが。それでも、品質とその見た目を天秤にかけたら割安と思えました。店内のポップによると、送る場合は送料をしっかりとるよ、ということ、自分で組み立ててね、という理由で安くなっているようです。これは車で来て正解でした。簡単に頭の中で計算した程度ですが、電車で来て色々買って配送をお願いすると、結局レンタカーを借りるのと同じくらいの価格になってしまうようでした。
IKEAの店内を回って気づいたのが、構造がとてもわかりやすいことです。2階は家具のショールーム、小物売り場、フードコートで成り立っており、一階が家具売り場。2階のショールームでイメージを膨らませて、いいな、と思った家具を1階でまとめて買ってね、ということです。客は車を降りたら2階で買い物用の袋、もしくはショッピングカートを持って回ることになります。動線もしっかりしていて(逆走なんかもしちゃいましたが)、客にどう行動してほしいかがわかりやすくなっています。
2階でこれが欲しいなあと思って1階に降りると、2階とは打って変わって海外な印象。これがスウェーデンクオリティでしょうか。
工場の雰囲気もあります。上の商品は絶対に届きません。しかし、大丈夫、同じ商品が下に置いてあります。おそらく、コンテナで生産地から運んできたものをフォークリフトでそのまま棚に積んでいるのではないでしょうか。そして在庫が少なくなってきたら下の段に降ろす。そうすることで輸送コストを下げ、価格に反映させているのかもしれない、そう勝手に思いました。もしそれがそうだとすると、それは恐るべしIKEAだと思いました。
さて、そのIKEAの品質やデザインはいかがなものだったかというと、値段か、それ以上の価値があるかな、と思えました。品質でメイドインジャパンのものよりも粗い感じはありましたが、見た目のよさがそれを補ってあまります。とはいえ、その見た目も価格と比較した結果であり、一流の家具メーカーのデザインには及びません。それゆえ、家具のような大型のものは単に個人の趣味の問題かもしれませんが、買う気になれませんでした。買ったとしても、せいぜい2、3年で買い換えるものでしょう。しかし、収納から小物などはつい手元に置いておきたくなるデザインが多かったです。
同価格帯の日本の⚪︎トリ、⚪︎ランフ⚪︎ン、また⚪︎⚪︎リスオー⚪︎⚪︎などのインテリアは買う気すら起きないので、僕にとっては天と地ほどの差があります。日本では、一般人に馴染みあるインテリアショップが少ない気がします。カッシーナ、アルフレックス、また、ショップとしては大塚家具(最近ドタバタして今後どうなるか)などはなかなか手が出せないハイブランドです。反対に、前述したニ⚪︎リやフ⚪︎ンフ⚪︎ンなどは安かろう悪かろうな低価格路線。中級の価格帯として、デザインもしっかりしているものですぐ思いつくのは無印良品くらいでしょうか。天童木工あたりも中級価格帯なイメージがありますが、いかんせん、木工のみです。そうした穴にIKEAが入り込んできて、人気を得るのは当然なのでしょう(価格帯としては中級というよりも安価な部類ですが)。僕がインテリアを買うとき、これまでは「こういうデザインが欲しいが、ないので無印良品で妥協だ」ということが多かったのですが、その選択肢が広がって嬉しいです。
また、IKEAに行くということはテーマパークにでかけるような気分になりました。広い店内を歩き回り、異なるブースを色々回ってモノを見る、という体験に価値があります。遊園地やディズニーランドなどとはすっかり縁遠くなってしまった僕ですが、遠い昔に忘れていた何かを思い出した気がするかもしれない可能性がもしかしたら僅かながら存在するかもしれませんと思いました。フードコートが併設されているのもまたそれに拍車をかけてくれます。メニューもスウェーデン風でした。行ったことないけど。メニューの種類が決して多いわけではないのですが、IKEAは商品の回転としても、そのテーマパーク性を考えてもしょっちゅう行くようなところではないな、と感じたので、それは全く問題になりません。むしろ、テーマパークということを考えると、我々の住む日本では異常なほどに高価な食事メニューが連想されるところ、IKEAでの食事は売っているインテリア同様、リーズナブルな価格帯です。日本人が大好きなカレーライスも200円台で学食か、と言いたいくらいですし、ドリンクバーがなぜか120円。会員になると60円でした。ソフトクリームも50円です。安い。ただ、平日に行ってちょうどよい混み具合かな、と思ったので休日はものすごく混んでしまうのかもしれません。
これは見ての通り、男子トイレの写真ですが、こうした裏方のスペースも清潔感があって好印象です。
そんな中、今回僕が特に気に入ったコーナーが2つ。一つは額縁コーナーで、安価でスタイリッシュな額縁が種類豊富に売られていました。写真用のものも多く、モノは試し、とA3ノビが入る写真用額を一つ買いました。1500円でした。使ってみないとわかりませんが、安いです。
もうひとつは植物コーナー。多様な鉢が売られていて、ついつい頭の中で多肉植物の植え替えを行っていました。春が待ち遠しい記念にひとつ鉢を買いました。また、多肉植物も安かったので一つショッピングカートにいつの間にか入っていました。
最終的に、姿見、棚2つ、多肉、額、その他、なぜかよく街でよく見かけるIKEAの青いバッグ一袋分の雑貨などを買いました。これだけ買っても一万円台の安さで驚きました。車に財布を忘れてきたことをセルフレジを通るまで気づかないくらいには買い物に夢中になれました。それと、幼い子連れの核家族が多く見られました。家族で訪れやすい場所というものは大都会東京では公園くらいしか思いつきません。これって素晴らしいことだと思います。行ったことがない人は是非一度、行楽気分で行ってみてください。たとえそこで売られているものが気に入ろうと気に食わなくとも、売り方や構成、売っているもののデザインや素材など、日本に居て無意識のうちに当たり前と刷り込まれ、思い込んできたことが揺さぶられる体験ができました。そういうと、なんか海外旅行みたいですね。でも、そんな感じが少なからずありましたよ。
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