カメラマンでもフォトグラファーでも、なんでもいいけどフリーランスのギャラを考える

ちょっと前に会社を設立して無事一年が経過しました。いつも大変お世話になっております。本当、こうして無事に今日も生きていられるのは仕事を与えてくれるクライアントさんのみならず、同じ業界の友人知人、先輩、そして家族、親類やら飲みに行ってくれる友人など、周囲の方々あってのものだと感謝せずにいられないのですが、じゃあ、お礼にタダで仕事やってよ、と言われるとそこはキッパリとはねのけるのみならず、今後の関係性を真剣に考えるに至るのがプロフェッショナルというものです。

なんだまだ1年ぽっちかよという意見もご尤もですが、念のため申し上げますと個人事業のフリーランス時代からは今年で6年になり、コロナ禍や原材料値上げラッシュの中、まぁよくぞ生き延びてきたとも振り返るだけの経験は積んできたわけです。会社と言っても現在はひとりでやってるので実質的にはフリーランスと変わることは大きくなく、今後、銀行に金を借りる、スタッフを雇うなどして複雑化する前にフリーランス、特に駆け出しなら迷う、ギャランティについて書いてみようと思いました。ここからが本題です。

個人事業主の会計はシンプルです。ギャラがあって、そこから経費を引く。法人よりもシンプルに考えられるからこそ、ギャラについても考えやすいです。指標がないと、仕事について割が良い仕事か割の合わない仕事か(何なら赤字か)、判断することが難しいです。フリーランスなりたての際は特に。私は次のように考えていました。正解などはないですが、一例として参考になれば。

まず、最終的な一年間の売上の目標を考えます。売上目標をどう設定するか、というのも一つ考えものですが、私の場合は気持ち余裕をもって生活することを考えました。ここは自分の生活水準や家族形態と合わせて、何でもよいと思います。例えば、自分で決められなかったら外的要因で決定するのもよいでしょう。東京都の会社員の平均年収は600万円前後ということで、とりあえずそのあたりを設定してみます。社保とか年金とかも家族形態で変わったりするので、後々修正すればよく、一旦置いておきましょう。もちろん、初年度から考えられる人は計算してください。

フリーランスなので、収入の目標が600万円だとしたら売上は経費を除いてそれ以上にならないといけません。経費は業界ごと、また個人単位でも変わるかと思います。私はカメラマンとしては1/3を経費として考えていました。その時々で発生する交通費のみならず、新しく買うカメラ、レンズ、またPCもよいのが必要です。カメラマン関係はモニターも高いですね。諸々ひっくるめて1/3です。もちろん、駆け出しの頃はもっとお金要りますし、安定してくると高い機材が欲しくなります。要するに経費がかかります。

仮にカメラマンが600万円の年収を手に入れるため、900万円の売上を年間上げるとしましょう。そこまで決まったら後は一日あたりのギャラを割り算するだけです。月にざっくり22日稼働するとした場合、年間264日。祝日と正月盆を休むので年間250日働くとした場合、一日あたり36000円売り上げれば年間900万円になります。もちろん、月に22日も撮影案件があるケースはかなりレアでしょうし、体力ももたない、それと経理やら買い物やらを人によっては営業活動などで時間を使います。なので、少し多めに見積もってわかりやすく1日あたり40000円のギャラで手を打ってはいかがでしょうか。当然、レタッチや編集業務で複数日かかる仕事はその日数をかけましょう。撮影+その他で2日かかる仕事であれば80000円、3日かかる仕事は120000円ですね。一般社会になぞらえて1日8時間働くとしたら時給換算5000円ですから半日で終わる仕事なら20000円という計算でもいいかもしれません。

一日あたりの目標とするギャラが計算できればその仕事が割が良いか悪いかは判断ができるでしょう。ただし、あくまでギャラという観点からみた目安です。定期的にもらえる仕事はフリーランスとしては安定につながるので割引してよいでしょうし、割が合わなくとも自分でやってみたい仕事、次に繋がる仕事というのもフリーランスならではと思います。反対になんとなく引き受けたけど面白くなくギャラも基準に満たない仕事であれば手を引けるのもフリーランスならではです。

金が欲しくてフリーランスやってんじゃねえよというのもまたフリーランスならではの意見ですが、金がないと生きてもいけないもの。今や芸術家ですらビジネスライクに仕事をするのに、フリーランスがお金の話ができないのは論外です。ガンガン稼いでガンガン納税しましょう。

2023-07-11 | カテゴリー 考えごと | タグ

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