2015年、てやんでい、べらぼうめ、な写真クラウドサービスたち
私は憤っている。イモリもそうだ。緊急会議を開くほどに憤っている。以前、褒め称えたAmazonのクラウドサービスの続きの話なのでまだ読んでない人はそちらを先に読んでからこちらを読むようにお願いしたい。
読むのがめんどい、という人のために3行でまとめますと、Amazonが年間1500円で容量無制限の写真用のオンラインストレージを発表し、3ヶ月無料でできるというので早速飛びついた、という話です。ただ、閲覧がスムーズでないので、ポートフォリオとして使うならばNikonのが一番よいですぜ、ということでした。
見る人の環境次第では3行に収まらないことをお詫びいたします。Nikon Image Spaceが相変わらずプレゼンテーション用のアプリとして抜群と思うのは未だ変わらずです。しかも、最近も進化してますし。バリバリ使わせていただいております。Amazon Cloud Driveをフリートライアルでやめようと思う理由は次の2点。
- ダウンロードが絶望的に遅い。
- RAWをブラウザやアプリ上で見ると120pxのサムサムサムネイルくらいでしか表示されない。
- アプリの使いづらさ
これに尽きます。2と3はまだ我慢できます。あくまでバックアップとして使うのですから。1はバックアップとしてどうなのでしょうか。試しにRAW一枚ダウンロードしてみたら2分かかりました(18MB)。課金したら速度が出る、という情報も特に見当たらない今、これを使い続けるのはちょっと、というところです。経験者はわかると思いますが、バックアップから戻すときは緊急を要する時が多いので。
そうこうして拭いきれないモヤモヤ感と闘っていたところ、本日、Googleから写真容量無制限の「Google Photos」というサービスがローンチされたというニュースが。早速試してみました。無料で容量無制限というのはポイントですよね。ただし、制約ももちろんあり、1600万画素以上の写真は約1600万画素に圧縮される、ということ。いや、1600万画素に圧縮、てなんだよ、縮小だろう、と思ったのですが(縮小と圧縮は違うよ、ということを言いたいのですが、どう違うかは省略)、モノは試し。やってみました。
Dfは約1600万画素なのでそれをそのままアップしてすぐダウンロード。なるほど、10MBの写真が2MBになっていました。圧縮+縮小ですね。それでいて、画像の劣化がほとんど感じられない。あえてナイキスト周波数の高めの写真を選んでみたのですが、ブラウザ上では300%くらいまで拡大してようやく、あ、ちょっとつぶれてるかな、と感じる程度でした。
あまりのアルゴリズムのよさに悔しくなったので、ちょっと意地悪することにしました。A3ノビにそれぞれプリントしてみました。しかし、そうした無理難題すら華麗にかわすのが世界のGoogle。じっくり観察して微細な違いがわかる程度の差しか見つけられませんでした。上の写真がそれです。ちょっとシャープをかけたらもう同じ画像になるでしょうね。データを1/5に圧縮するアルゴリズム、恐るべし。
でも、結論としてはこれ、僕には不要です。必要なのはバックアップとして使えるオンラインストレージ。プレゼンテーション用ならばやはりNikonのが上です。「Google Photos」は試したところ、写真は1枚ずつしかダウンロードできない模様。しかも、RAWを勝手にjpgに現像しやがる親切設計。レタッチ済みの写真はいいでしょうが、レタッチ前の写真を圧縮され、さらにレタッチで劣化させるのはさすがに見るに堪えません。まあ、どっかのニュースでもやってましたが、アマチュアにはちょうどいいのかもしれません。仕事として使う用途には責任が持てないです。あえて使い道を考えるならば終わった仕事やレタッチ済みの写真をあげておくくらいでしょうか。このサービスのメリットの高い圧縮率を最も効果的に使うにはそれくらいしか思いつきません。だとしても、そのためだけに使うのは手間ですね。この「Google Photos」はGoogleのjpg圧縮の技術の高さを世の中に示すためだけにあるようにしか僕には思えません。
これですっかりオンラインストレージの検索にのめり込んでしまった僕は無料で容量無制限のオンラインストレージはないものか、と探してみて「Shoebox」と「Hive」というサービスを見つけました。
「Shoesbox」のほうは白背景のおっさんがトップでなかなか好感触。しかも、Dropboxのようにフォルダを指定すれば自動アップロードしてくれます。デザインもすっかりとしていて見やすいので好感触なのですが、しかし、残念ながら使い続けるには至らず。なぜかアップロードが途中で止まり、その度にアプリを再起動しなければいけませんでした。また、ダウンロード以前にアップロード速度が遅い。
「Hive」は使う以前の問題。UIこそいいものの、使い勝手が非常に悪いです。アップロードもできたのかできてないのかもわからない。階層も不明な上、アカウントを一旦作ると削除不能(公式では数ヶ月ログインしないと勝手に消える、と書いてあるけど不安でしかないですね)。速度は申し分ないのですが。
そして、「Google Photos」、「Shoesbox」、「Hive」の3つに共通してダメなところ。アップロード元の階層構造をそのままダウンロードできない。これができないということはバックアップ用途として致命的です。ニュースサイトなんかもプレスリリースをコピペしてちょっと加筆するだけでなく、本当にバックアップとしてよいのかどうか、見極めていただきたい。
バックアップというのはバックアップ元を忠実に再現することができて初めてバックアップといえるのです
大事なことなので普段は使わない太字を使ってしまいましたよ。書きなぐったおかげで少しは憤りが収まりました。バックアップに最適なオンラインストレージはないものですかねえ。知ってたら教えて欲しいものです。お願いしましたよ。
※オンラインストレージにしかバックアップを求めない阿呆に思われそうですが、僕はかつてバックアップがないせいで痛い目を見て以来、自分の写真についてはローカルでも外付けHDD+MacのTime Machineで2重にバックアップをとっています。
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