ドローンの現場で使ってみたDJI Goggles、雑感。
先日購入した『DJI Goggles』(DJIゴーグル、いつもGoogleとスペルを間違える)、本日フィールドテストしてきました。このDJIゴーグルなるシロモノはざっくり言うとドローンで撮影中の映像をゴーグルで見られるものです。単純な機能ですが、細かい点に非常に気を配って作られていて、いたれりつくせりな逸品となっております。例えるなら、単にパスタを食べたいだけなら安いチェーン店のとかでもいいんですが、美味を追求すると専門店の高価な一皿になる、そんな感じです。単にゴーグルだけなら安いのいくらでもありますからね。ほんで、本日使ってみたので使用感を書きます。
最初にテスト兼ねて補助者に装着してもらいました。僕が操縦している映像を見てもらう形になります。これが仕事などではクライアントになるわけです。控えめに言って、最高の印象を与えられそうです。VRではないですが没入感、かなり高いようです。次に僕が装着してフライトを行いました。大事なことなので前回に引き続き書きますが、操縦者がゴーグルをつけてフライトすることは『目視外飛行』にあたり、航空局の許可なしで行うと法律違反になります。やはり危険ですからね。今回はテストも兼ねてるため、周囲に障害物がない高度までドローンを上昇させて行いました。
メリット:没入感高い、かなり映像に専念できる
片目ずつフルハイビジョンのモニターというスペックは伊達じゃありません。かなり没入感が高く、本当に空を飛んでる、まではなりませんでしたが、映像に集中できるのでかなり凝った構図にチャレンジできそうです。ただ、この没入感の高さはデメリットでもあります。マリオカートとかレーシングゲームやってて、カーブ曲がるときに一緒に自分の身体ごと傾けるヤツ、いるじゃないですか。僕がそうなんですが、このDJIゴーグルも同じ。多分、僕操縦しながら身体が傾いていたはずです。
デメリット:やはり周囲を確認できない不安
カメラ視点なので、画角の外に何があるか、全くわからないわけです。カメラの外にもしかしたら障害物があるかもしれない。自動車と同じ、『かもしれないドローン』が大事です。目視外飛行時において補助者を置かなければいけないとルールはほんとに必須だな、とまさに身をもって感じるわけですが、それは補助者に対する信頼やら補助者のドローンの知識やら、そういったものもひっくるめて改めて問いかけられます。加えて、機体の正確な位置が把握しづらいのもデメリットです。アンテナの方向はなるべく機体の方に向いておかないと電波が弱まりますからね。
デメリット2:必ずしもすべての情報がディスプレイ内に表示されるわけではない
一応、現在の速度や残バッテリーゴーグル内に表示できますが、例えば、風が強くなった時の警告は表示されません。地上と空中は風の強さも方向も違う場合があります。地上では平気でも、思わぬ突風が上空で吹いて、その警告を知らぬまま飛行を続けて…想像するだけで恐ろしいです。
デメリット3:トーンが合わない
モニターとして使っているiPadとトーンがあいません。色はだいたい同じですが、DJIゴーグル内の映像の方がコントラスト高めな印象です。本番用のMacはiPadとトーンが近いのでiPadのほうがデータに忠実なトーンに思えます。キャリブレーションできればかゆいところに手が届くのですが、まあ、そこまで求めていませんし、必要性もあまり感じません。ので、この項目に関してはいうほどデメリットではないですね。
デメリット4:かさばる
これについては前回も書きましたが、ただでさえ荷物が多いのに、ヘッドマウンドディスプレイとしては大型なこれを持ち運ぶのは荷物になります。以上。
実際の運用
デメリットの方が多くあがってしまいましたが、それをはるかに上回るメリットがあると思います。買ってよかった。今後、DJIゴーグルなしのフライトは、まるでタレのない餃子のように感じるでしょう。非常に面白いです。結論としては前回と同じですが、やはり、これはクライアントに装着してもらうのが一番の運用方法でしょうか。ここだけはしっかり撮らねば、という映像がある場合は目視外飛行でこれを装着して撮影するのが良いかなと考えています。
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