学生時代に買ったライトは未だ現役でつかっています
我が家で使っている照明のシェードです。我が家にはなんと天井から吊るすタイプの照明が部屋の数だけあるのですが、そのうちのひとつです。前に買った2号国民ソケットで使用しています。Tord Boontje(トード・ボーンチェ)というデザイナーのシェード、「Garland」というものです。東京に出てくる前後で買ったので、もうかれこれ10年ほどになります。唐草模様のシェードを照明に自分で巻きつけて形をつくる、というところが面白く、最近、我が家のこれを巻き直したのでふともう10年か、と思って書いてます。
巻きつけるデザインのシェードなので、「2号国民ソケット」のようなぶっとんだ照明に対しても問題なくシェードとして使用できます。以前作ったカメラマン向けのデスクライトには使えませんが、だいたいの天井から吊るすペンダントタイプのものには対応しているんじゃないでしょうか。
クローズアップ。自然の文様がモチーフとなっています。このシェード、デザインが素敵な割に安価なんですよね。何種類か色があるうち、僕の選んだのは銅で出来ているのですが、これがまた不思議な素材。写真の通り、すごく細いのによく曲がり、照明に巻きつけやすい割に全然折れないんです。この10年で本当に先端が一箇所、とれたくらいです。デザインは素材によって可能性が大きく広がることはデザイナーなら誰しも反論のしないところだと思いますが、そういうことを思わずにいられないくらいには驚きの素材でした。今でも謎です、この不思議な銅。
また、この素材同士がよく絡み合ってくれるのでいったん巻きつけるとかなり長い間そのままでいいことも不思議。照明のシェードって、発光部分に近くなるの で熱に強いことが必須の条件ですが、それもクリア。むしろこのデザインだと熱の発生源そのものに直接触れてしまうのですが、全く問題なしです。
2セット買って照明全体にボリュームをつけることを検討したこともあるくらい気に入ってます。
デメリットは、照明が完全に隠れるわけではないので発光部分がたまに目に入るとまぶしいことと、ホコリがとりづらい(妻談)ことでしょうか。
このデザインから、デコラティブな部屋に合いそうな一見です。しかし、このシェードは実は真っ白な部屋だったり、直線の家具しかないシンプルな空間のほうがよく合います。曲線の多様されたベッドや、猫のような足の椅子とは相性が悪いです。このデザインをよく見ると、同じパターンの繰り返しだったり、自然をモチーフとしながらもかなり抽象化しているのですね。なので、空間としてはモダニズムの延長線上にあるのだと思っています。
これを買った当時、僕はかなりこのデザイナー、トード・ボーンチェが気に入っていて、家のカーテンもトード・ボーンチェのものにしていたのですが、まあ、このようなデザインなのでカーテンとしての役目も半分くらいです。今は様々な人の反対もあり、カーテンだけは2重にするという妥協点で落ち着きました。それでも、学生時代に多少頑張って買ったよいデザインは(このシェードは安価ですが)10年以上たった今でも気に入って使えるのだなあと我ながらしみじみ思いました。実際、我が家において、学生時代に僕がバイトして買ったお高かった家具(学生からしたら高価だった)は今でも現役のものが多いです。つまり、一人暮らしをするときは家具を慎重に、良いものを買ったほうがいいよ、という結論なのですが、それをテーマに我が家のグッドデザイン賞の受賞家具についていずれまた書こうと思います。
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