東京スカイツリーは現代のバベルの塔である
東京スカイツリーは現代のバベルの塔である。かつて人々の言語を分けたその塔は、現代においてここ日本の押上において、同一の言語を持つ我々日本人を分断する。電波にのったメディアという混沌(カオス)はインターネットという文字通り情報の網と交錯し、三次元的なディメンションをカタストロフするのである。その超現象的かつ構造的な映像修辞学における空間性はご周知の通り、古代ローマ時代からのソクラテス的ダイナミクスと通ずるところがある。一方で、この東京スカイツリーの足下における下町風情との都市景観的コントラストはフランスの詩人ボンソワールが「現代日本における現象的テニス風な応酬」と隠喩したように、哀愁的、かつ孤高の存在へと東京スカイツリーが高められるのである。つまり、自らにおいて自らを頼むところ、自己成長を続ける東京スカイツリーはそのこれから刻まれる宿命的な歴史とともにアーキテクタイズされるのである。さあ、ゆけ、東京スカイツリーよ、その忌まわしき記憶とともに。
ということを考えさせられたり、思いもしなかったくらいには東京スカイツリーは意外にもよかったです。男二人で行ったからそんなことを考えてしまうくらいには暇だったのですね。完成した東京スカイツリーを間近で観たのは初めてでした。前に間近で見たのはもう3年前くらいでしょうか。震災のあった月末でした。時折、東京を歩いているとチラっと見えてはがっかりさせられるスカイツリーも近くでみるとなかなか美しいものです。
東京スカイツリーの足下にはソラマチなるショッピングセンターができていますが、そちらも合わせてオススメです。特にオススメなのは僕が行った男二人で行くツアーです。女性の方は諦めてください。東京スカイツリー、ソラマチに訪れる客層は大きく分けて家族連れ、カップル、女性同士、です。稀に男性数人のグループも目に入りましたが、少なくとも男二人で来ているのは我々を除けば数える程度しかいなかったはずです。
そうすると、どういうメリットがあるか。まずは、スカイツリーに登らなくてもいいか、という気持ちになります。この日、当日券は30分待ちでした。長い行列ができていました。しかも、チケットは一人3000円です。カップルや家族連れで来ていれば、ああ、予約すればよかった、なんて後悔こそすれ、登るのやめようか、という選択肢はなかなかないと思います。しかし、男二人だとあるのです、この「登らない」という選択肢が。すると、入場料として一人3000円、二人だとなんと6000円も浮きます。続いて、併設している墨田水族館。こちらもちらっと覗いてみますが、一人2050円の入場料でした。スカイツリーと同様、「入場しない」という選択肢があるのが男二人です。二人で4100円浮きました。スカイツリーと合わせて二人で10000円以上浮く計算になります。
さらに、食事。ソラマチに入っているレストランはいわゆる観光地価格のものが少なくありません。アニメのコラボカフェのようになんだかわからないものが1000円以上したりします。ドリンクつけると1500円なんてのもざらでしょう、きっと。きっと、と書いたのはもともとそういったレストランは最初から見ていなかったからです。しかし、男二人ならありうるのです。マクドナルドという選択肢が。加えていうならば、ソラマチでも男二人だと何か買おうと思う機会がそもそも少ないです。せいぜいユニクロでTシャツを見たくらいです。結局、この日、僕がソラマチに貢献した経済効果は224円でした。
しかし、それでも、東京スカイツリーは楽しめる。ソラマチの高層階からそれなりに景色は見れるのです。以上の理由から、オススメです東京スカイツリー男二人ツアー。無計画的な弾丸ツアーならばなおさらよいですよ。
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