山の頂きより「みえ」たもの
先月末に三重に行った話の続きです。久しぶりに書きますが、これまでのあらすじは四日市の夜景を撮り、翌日、近鉄線にて御在所岳に登山、すべきところをロープウェイで頂上付近までショートカットしたところです。山の麓では春の陽気を感じていたところ、ロープウェイで降りた途端、ひんやりとした空気が肌に刺さり、まだ春先であることを思い知らされるのでした。
それもそのはず。まだところどころに雪が残っていました。標高1200mは伊達じゃないということですね。遥か先に霞む山々が峰々でした。ソリで遊ぶ子供たちも多くいました。彼らもまたロープウェイで登ってきたのでしょう。所々に見える本気の山装備の大人たちが奇妙に見えることさえありました。御在所岳の懐の深さを感じる場面です。
さて、ロープウェイを降りたところから丘ひとつほど歩くと山頂です。上の写真はその途中からロープウェイの降り場を振り返ったところです。ロープウェイ乗り場からさらに山頂付近まではリフトが運行していたのですが、リフト代300円を惜しんでさすがにそこまで楽しちゃいかんだろう、と歩くことにしました。
しかし、御在所岳の頂上からさらにもうひとつ丘があり、そちらのほうが眺めがよさそうでしたのでもう一踏ん張りすることにしました。しかし、あと一登り、というところで雪が結構残っているエリアが残っていたりします。が、それをものともせずにロープウェイとリフトを乗り継いできたと思われるミニスカで歩いている女子集団もおり、新たな山ガールのジャンルを感じるとともに。再度御在所岳の懐の深さを感じました。
雪道を超えた先は絶景でした。岩の先は崖ですが、この写真ではうまく伝わらないのが残念。ぜひ生で経験してほしい迫力でした。琵琶湖まで眺められるそうですが、山々の峰々に隠れてよくわかりませんでした。お弁当と水筒を広げる登山者もいて、ここまで歩いてきた心地は最高だろうなぁとロープウェイでショートカットしてきた僕はそう思いました。
ところで、今回の三重行きのカメラはNikon Dfのみでした。軽量でかさばらないことがよかったです。レンズは広角ズーム、35mm、50mm、望遠ズーム(70-210/4。MFなので小さい)。それと、折り畳める三脚の代名詞であるVelbonのUltrekの一番大きいタイプ。これらをリュックに詰めて若干余裕があるくらいです。
帰りはリフトを使いました。ここは冬はスキー場になるのですね。春先のスキー場の残雪はもの哀しくていいです。
ところで、先日、友人と「盆ちら」という言葉をつくりました。いわば盆地のチラリズムです。ちょっとした丘や山道からふと見える盆地のことを言います。盆地は山に囲まれているのでなかなか外からは見えませんね。盆地はその地理形態学的にはちょうどスカートを逆さにしたような形状をしており…盆ちらは登山という能動的な行動を以てして初めて体験可能な極めて主体的な現象であり…などと学術的には深そうに見える議論が行われることが予想される、今後に期待ができるかもしれない概念です。皆さんもぜひ使ってみてください。声に出すと意外にしっくりきますよ、「盆ちら」。
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