ひと目でわかるかもしれない!Nikon機種ランク別、外装の特徴
デジタル一眼レフと言っても、5万円のエントリーモデルから60万円のフラグシップモデルまで多くの機種があります。カメラとしての基本的な性能はどれも備えていますが、センサーのサイズや連射速度、その他、細かい機能で差がついてきます。
Nikonのラインナップはセンサーサイズで分けて大きく2種類に分けられます。一回り小さめのAPS-Cサイズ(DX)と35mmフィルムと同じサイズのフルサイズ(FX)。その中でさらに数機種ずつカメラがラインナップされています。2017年秋現在、Nikonのラインナップは以下の通り
APS-C(DX)
- D3400 いわゆるエントリーモデル、最も安価で軽量。
- D5300、D5600 エントリーモデルから少しステップアップしたモデル。
- D7500 ミドルクラスと言われる中級機。独断だが、このあたりのモデルからプロも使いだします。
- D500 DXのフラグシップ機と言われています(誰に?)。AF機能、連射速度などは最高級のものが採用されています。
フルサイズ(FX)
- D610 FXのエントリーモデル。フルサイズにしては安価、軽量。DXのミドルクラスと性能が似通っています。名機、D600の後継機。
- D750 FXのミドルクラス。性能に文句のない、あらゆる撮影に対応できる万能機だと思います。ほとんど触ったことないですが。
- Df 動画機能を省き、フラグシップD4と同じセンサーを搭載するなど、写真に特化したモデル。ラインナップの中では番外編的な位置付け。僕の愛機です。
- D810、D810A、D850 ハイアマチュアからプロ機のクラス。いつも思うけど、ハイアマチュアってなんですかね。言いたいことはなんとなくわかるけども。片仮名ビジネス用語くらいにみんなで共有できないイメージではないでしょうか。D810AはD810を天体撮影用に特化したモデル。D850は高画素機でかつ高速連射を両立させたD810の後継機。発売されたばかりで僕の新しい愛機です。
- D5 Nikonのフラグシップモデル。大きくて重い。すごい。オリンピックなどでよく使われます。
これらの製品が発売中なわけですが、モデルのランク(値段)によって当然、機能は変わります。中身が違えば自然と外見ににじみ出てきます。人間と同じですね。そこで、Nikonのモデルによって外装にどんな違いが出てくるのか、D850の写真を中心に語らせてください。
前ダイヤル
ミドルクラス以上の機種についています。主に絞りを調整します。グリップ部分についているので右手の人差し指で操作します。DXのエントリーモデルにだけありません。これがあるのとないのとでは撮影時の操作感が雲泥の差です。
三角環
ストラップを止める場所です。これもミドルクラスくらいから採用されています。FXは全機種に、DXだとD7500以上のクラスにつきます。昔はミドルクラスのカメラにはついていませんでした(当時のD90)。なので、D7000が発表されたときの衝撃はかなり大きかったのを覚えています。推測ですが、このクラスからストラップの取り付け方についての説明書の記載が、いわゆる『報道結び』になっているはずです。ストラップの結び方は大まかに2種類あるのですが、スタンダードな結び方はストラップが抜け落ちる可能性がある一方、報道結びは一度取り付けたら滅多なことでは外れないのでオススメです。結び方の詳細はまたいずれ。
丸型ファインダー
ファインダーのカバーがエントリーモデルからミドルクラスは台形です。これは割とハイクラスな一眼レフからは丸型になります。機種で言えばDXはD500のみ。FXはD800系とフラグシップモデルです。あと、なぜかDfも丸型。台形より丸型がいい理由はよくわかりません。キヤノンは全機種台形だし。
合わせて、丸型にはファインダーのシャッターがつきます。名称はアイピースシャッター。三脚などを使ったときにファインダーから入った光が反射して測光に影響を及ぼすのを防ぐためのものです。めったに使わないですけどね。高級感は演出できます。なぜかDfは丸型ファインダーにもかかわらず、これがついていません。
さらに視度補正ダイヤルは動かない状態がデフォルトです。視度を調整するときはダイヤルを引っ張って回転させる必要があります。これ、すごく便利なので全機種に採用すべきだと思っています。このロックがないカメラだと、カメラバッグの中に収納しているときに勝手に視度が変わっていることがあって、大変に不便です。これもなぜか丸型ファインダーのDfには採用されず。
AF-ONボタン
これもD800系以上のハイクラスの機種とDfから採用されています。このボタンを押すことでオートフォーカスが作動します。このボタンは位置的に右手の親指で押すため、親指AFと呼ばれています。通常はシャッター半押しで合わせることになりますが、それだとAEロックやAFロックとの兼ね合いや、フォーカスエリアの関係から色々と不便もあるわけです。親指AFを採用することでシャッター半押しはAEロックだけに割り振ったりできるため都合がよいのです。僕も親指AF派です。
ただし、ミドルクラスくらいのモデルから(ちょっと真偽不明)はAEロックボタンの機能をカスタマイズできるので、それにこのAF-ON機能を割り振れば同じことができます。僕はD600でそうしています。AFは人によって使い方がけっこう変わると思うので、その人次第な機能です。個人的には超オススメですけどね、親指AF。
モードダイヤル
ハイクラスな機種ほどシンプルになっていきます。カメラの基本的な使い方を知ってるのが前提のようになっているのでしょう。通称、四つ葉ボタン。このボタンを押しながら右手のダイヤルを回すことで撮影や測光モード、ホワイトバランスなどを変更します。
上の写真はD40。ミドルクラス以下の機種はモードダイヤルになっています。機種によって違いますが、いわゆるスポーツモードや風景モード、全自動モードなど、撮影者が露出をカメラ任せにする機能です。Dfはデザイン上、四つ葉ボタンではなく、モードダイヤルになっていますが、基本のMASPしかない、シンプルかつ潔い設定です。
シンクロターミナル
スタジオなどでストロボを有線で接続する際にカメラ側の端子となる部分がこのシンクロターミナル。通常はカバーで保護されています。同じくハイクラス以上とDfについています。これがないカメラはホットシューにアダプターを装着するなどして接続することになります。なので、あってもなくても大して困りません。アダプターを無くす心配がないくらいです。
内蔵フラッシュ非搭載
カメラの上部がぱかっと開いてフラッシュになる機能がハイクラス以上で省かれます。ただし、D810にはフラッシュはついていて、D850からは非搭載になりました。D500も非搭載です。あと、Dfも。内蔵フラッシュはそれ単体では使うことがほとんどないのですが、カメラから離したストロボを閃光させるトリガーになります。専門用語でいうところの、Nikonクリエイティブライティングシステム、です。昨今は無線電波でのオフカメラライティングが主流になりつつあるのと、ファインダーの大きな視野を確保するためにD850には内蔵フラッシュが採用されなかったのだ、と僕は考えております。まあ、フラッシュと引き換えにより見やすいファインダーが手に入るのならば大歓迎ですね。
大まかなモデルごとの違いはこんな感じでしょうか。長いNikon一眼レフの歴史の中、クラスごとの違いがいつ生まれてきたかは僕にはわかりませんが、この差がNikonのカメラにとって自然になるようになってきたのでしょう。街中や旅先で気になるNikonのカメラを見つけたとき、このあたりに注目すればたとえ機種名が見えなかったとしてもある程度のアタリはつけられるのではないでしょうか。あとはビジネスなどの現場で初対面の人が持っていたNikonのカメラをビジネスライクに褒めちぎる際の知識として活用していただければと思います。
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