ドキュメンタリー映画「Doglegs」を観てきました。久しぶりの映画です。
久しぶりに映画を観てきました。娘の誕生後、すっかり映画館やら美術館やらと縁遠くなってしまいました。最後に見た映画は昨年3月のゴダールです。今回観てきた映画はドキュメンタリーで、この分野の映画に関してはかなり長い間観ていないです。この記事は単に感想なので言いたいことをまとめるというよりは雑記です。すみません。
映画のタイトルは「Doglegs」。この映画を知るきっかけとなったのはBlogosの記事です。これを読むだけでもだいぶ興味をひかれるものがありましたが、上映映画館について調べていると、なんと近所の「ポレポレ東中野」でレイトショーをやっていることがわかり、早速と観に行ったのでした。
この「健常者と障害者が本気でプロレスをする」ことのインパクトの大きさはもちろん、個々人で違いはあるでしょうが、その字面だけでも強烈です。健常者が障害者を一方的に殴るということは日常生活の中では当然許されるものではないのですが、 では、プロレスならばよいのか、そういう疑問も当然浮かんできます。そして、映画を観てその疑問が消散し、その後、一言ではまとめ難い様々な思いが駆け巡るのです。
こういった社会的な固定観念を揺るがす活動、僕は大好きです。映画の中で、主催者でもあるアンチテーゼ北島の入場シーンでの実況のセリフ「俺が福祉だ」という言葉はぐっときました。どっかの安全戦争保障法案反対の若者団体ではないですが「福祉ってなんだ」と感じずにいられません。24時間テレビはもう10年以上見てないですが、きっとこの団体の人たちも24時間テレビには思うところはあるだろうな、と推測しています。かっこいいことを言わせてもらえば、彼らがプロレスを通して闘っているのは対戦相手ではなく、この現実なのでしょう。
まだまだ日本はすべての人に公平とは言い難い社会です。10ヶ月になる娘を連れて外出しても思います。社会的な不公平を解消する道は険しいです。あちらを立てればこちらが立たず、ということもよくあります。せめて相手の立場になることが不公平さを理解してもらう一番の方法ですが、小学生が言われるようなそれを実際に行うのは難しいことで、とても想像力のいることです。自分自身が実際にその立場になることが理解のための手っ取り早い方法のひとつですが、我々は菩薩ではないので、望んで不公平の身におかれる人もいないでしょう。もうひとつとして、この映画のような自らの価値観を揺るがす体験をすること。ひとりひとりの感じ方が異なることは前提としても、僕にとってこの映画との出会いは大きかったと言えます。
ドキュメンタリー映画は題材で映画の出来が決まるところが大きいですが、この映画は演出、撮影も凝っていて一本調子ではなく、最後まで集中して鑑賞することができました。DVDにでもなれば間違いなく買うんですが、ならないでしょうかね。
関連コンテンツ
スポンサーリンク