Godox V1と純正クリップオンストロボの比較。
前記事。
さて、予告どおり今回はGodox V1と純正クリップオンストロボの比較をしました。純正はNikon SB-910。一つ前のフラグシップですが、まあ、現行とも光に関してはさほど違いがないでしょう。この2つのモデルの一番の違いはヘッドの形でしょう。V1は円形でSB-910は長方形。どちらもフレネルレンズで光量を増し、ズーミングしています。カタログスペック上ではV1は28mm-105mmまでのズームに対してSB-910は17mm-200mmと広い範囲をカバーしています。クリップオンストロボに関してはズームレンズと違い、ズームの範囲が広いほどよいです。
あと、クリップオンストロボのスペックを語るのにGN(ガイドナンバー)を使ったりもしますが、各社基準の焦点距離がバラバラなんでもうやめましょうよ。GN60大光量!とか言っときながら焦点距離200mmの場合、とか。
こういう検証は地味で、どうでもいい人にとっては本当にどうでもいいんです。でも、僕もそうですが使い分けが必要な人にとっては両者の特性を知っておくことは適材適所で機材を選べる意味でも、また、何百枚も撮っているうちに感覚で覚えていくよりも短時間ですみ、有益な検証になることからやっとく価値があるわけです。
前口上はここまで。早速実写です。F16、SS1/125、ISO64でテストし、室内の明るさが影響ないことを確認した上でのテストです。
撮影距離約2mで比較
Godox V1、28mmでフル発光。レンズの焦点距離は中途半端に32mmにしました。
同じ設定でNikon SB-910。ほんの僅か、中心部がV1のほうが明るいかなあという感じ。他はあまり差がないように思えます。実写では差はないでしょう。
V1。105mm。
SB-910、105mm。かなり差がでました。SB-910のほうが明るくなっていますが、明らかにクリップオンストロボの長方形の形が見えて、特に画面下の方に光が回っていません。V1も下部が暗めですが、まだ比較的光が回っています。どちらも画面下部が暗めなのはカメラのホットシューにストロボを直付けしているからですね。ちなみに28mmから105mmの間もそれぞれテストしているのですが、そのまま、28mmと105mmの間な感じなので省きます。
これでSB-910のほうが配光悪いなあと思ってしまうのですが、これは広角のレンズに対してストロボを望遠側にしている、意地悪なテストをしたためです。クリップオンのズーミングはレンズの焦点距離に連動しますので、実際は上の検証のように極端な配光の差は余り出ないと思われます。
ちなみにSB-910を200mmにまでズーミングするとこんな光です。V1は105mmまでなので比較はありませんが、中心部の光量だけ見ればかなり明るくなるわけです。
クリップオンストロボとの比較の参考に、AD-200にラウンドヘッド(H200R)を装着してフル発光。色温度がかなり違うのが目立ちます。光を見れば均一で、かつ明るい。かなりいい感じです。でもクリップオンストロボに比べたらでかいです。
近距離で比較
近距離で比較。ズームレンズの歪曲出てますが、水平垂直とってます(壁への水平は感覚でやりましたが)。こちらがV1。
SB-910。レンズは24mmですが、ストロボは28mm。これもSB-910には意地悪な検証ですが、SB-910が下部の暗さが目立ちます。V1のほうが柔らかいですね。
ストロボのズームを105mmにしてテスト。周辺は落ちるものの、これでもまだ、自然に見えるのがV1のポテンシャル。
SB-910。さすがにこれは…まあ、この状況、ありえないですけども。操作ミスでストロボのズームをマニュアルにしてしまった時くらいでしょうか。
これまで水平面に直射してましたが、斜めで比較。下に30°振った感じです。V1。
SB-910。V1に比べて中心部のコントラストが高くなっていて、壁が白飛び気味です。消化器の上面と側面のコントラストもそんな感じですね。V1のほうが全体的に若干柔らかいです。おそらくこれがヘッドの違いによるもでしょうかね。あとはヘッドの違いで同じフル発光でもSB-910のほうが光量が出ていそうです。
まとめると、予想した以上に違いはないのかなぁという印象です。被写体との距離が近くてクリップオンストロボを直打ちするような場面では気になる程度に差は出てくるのかもしれません。それも比較した上でですが。実際はクリップオンストロボを直打ちするときは環境光も取り入れた上での撮影のケースが多いですし。
では、ズームのカバー範囲が広いSB-910にメリットがあるかと言えば一概にそうでもなく。前回記事とも被りますが、Godox V1はリチウムイオン電池を採用しているので、電池の持ちが違います。公称で2.5倍位でしょうか。純正クリップオンストロボは同じだけ電池をもたせようとするとパワーパックが必要になってくるため、V1のほうがコンパクトに収まります。特に2台持ちのときなんかは差が出るでしょうね。純正も早くリチウムイオン電池採用するとよいのに。これまで単三電池を買い集めてきたカメラマンへの配慮でしょうか。。。SB-910は日中の長時間の撮影だと電池が持たないこともあります。
TTLの精度だけは大量に撮ってみないとわからないところです。今回もテストしたのですが、ヘッドの違いもあるのか、同じ調光補正でも結果が変わっていることがありました。純正についてはTTLと調光補正がかなり信頼できます(100枚撮って1枚外すかどうかくらい)。GodoxについてはたまにAD-200で首をかしげる結果になることがあるので、それがV1でいかがなものか。これから撮っていく中で知るところですね。最後に一言。地味な写真ばかりですいませんでした。
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