レリーズタイムラグ、コンマ世界
本日はレリーズタイムラグのお話。シャッターを押してから実際に画像が記録されるまでの時間です。その間、0.05秒とか。短いです。しかし、この差で写真を撮ろうと思ってシャッターを切った瞬間のイメージと実際に撮れた写真で違いがでることがあります(コンデジ、スマホやミラーレスカメラでも同じような違いが生まれますが、それはまた別の原理。誤解している人もいます)。
僕はレリーズタイムラグは遅いと思っています。自分のタイミングで撮れません。しかし、それは原理的に仕方ないため、自分がカメラに合わせる必要があります。また、それに慣れてこそカメラを使いこなすことになります。ミラーレスカメラは一般的に一眼レフより速いです。なぜなら一眼レフと違い、ミラーのアップダウンがなく、その間の機構が不要になるからです。SONYのNEXシリーズ(懐かしい)はクラス的には一眼レフの高級機と比べようがありませんが、レリーズタイムラグ0.02秒を謳ったものもあります。
一眼レフの中でもエントリー機はタイムラグがやや長めの傾向があります。いろんなカメラを使い分けて動体を撮影するとはっきりと体感できます。当然ですが、被写体が静止している場合はわかりません。例えば公表されているレリーズタイムラグを調べると、Nikon Df、Nikon D610は0.052秒。D5が0.05秒ですが、なんとD4は0.042秒でした。かつての名機、D700も0.04秒という速度。Nikonは一部のレリーズタイムラグしか公表していませんが、CANONは多くの機種でレリーズタイムラグを公表しています。1DX-2は0.055秒。6D2が0.06秒。5D4は0.058秒とのこと。Nikonのほうが若干早いですが、この違いは体感可能です。人間の限界はすごいです。一瞬が勝負の撮影ではプロ機の0.05秒でも気になるレベルです。ちなみにエントリークラスのカメラの例としてKiss X80。0.12秒もあります。
同クラスのカメラを比較すると、Nikonのほうが速いのがわかります。かと言って、それでNikonのほうがCanonより優秀なカメラであると決め付けることは早計です。
それは、Canonはある程度のレベルの機種以上はレリーズタイムラグが0.055秒から0.06秒の間で統一されていることです。このことはカメラを変えた時でも今までのレリーズタイムラグの感覚で撮れるメリットがあります。その証拠に、実はCANON 1Dはレリーズタイムラグが選べ、0.055秒か、0.03秒。0.03秒を選ぶと最速ではありますが、感覚が変わります。また、絞り値によって速度が変わってしまうデメリットもあります。絞り込めば遅くなります。
一方のNikonは速度重視です。代わりに機種ごとにレリーズタイムラグの差があり、カメラが違うとレリーズタイムラグの感覚が変わります。そのため、CanonとNikon、どちらがよいかは一長一短です。ただ、これがどちらのカメラを買うか、決定的な選択肢にはならないはずです。実際の現場だとカメラのシャッターの深さや押しやすさなども大きく影響するので。
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