NikonのAF-S F1.8単焦点レンズシリーズは実用的で収集欲に対して刺激的。一眼レフ買うならニコンだね。
世の中のカメラ用レンズは大きく分けて2種類あります。ズームするレンズとそうでないレンズです。ズームレンズに対し、ズームしないレンズは単焦点レンズと言います。ズームできないので不便かと思われますが、実にその通りです。しかし、ズームレンズに比べコンパクトで、その多くが明るいレンズであり、写りもよく、また安価であるというメリットがあります。
カメラを始めたばかりの人はよっぽどセンスのある人でない限り、単焦点レンズを使った方が上手くなるのが早いです。そのため、僕が人に一眼レフをすすめるときは(すすめたことはないが)キットレンズでついてくるチープなズームレンズをまず窓から投げることを最初の儀式としてお伝えしています。続いて、単焦点を買い求めさせます。その単焦点レンズですが、Nikonは最新型のラインナップがよく揃っていて、単焦点レンズを極めたい人にはとてもオススメです。中でも開放がF1.8で揃っている通称F1.8シリーズは集めるのにベストなチョイスです。一眼レフの事実上のライバルであるキヤノンも単焦点レンズのラインナップではNikonに一歩譲るところがあります。それも、このF1.8シリーズのおかげです。嘘だと思うならNikonとキヤノンの単焦点レンズのWebページを比べてみてください。F値が揃っていることが大切で、レンズデザインも一貫性があります。
僕は仕事で使うのはズームレンズがほとんどで、たまに単焦点レンズ(とはいえ、マクロレンズ)を使っていますが、仕事を離れるとこのバランスが逆になります。ほとんどが単焦点レンズで、ズームレンズを使うほうが稀になります。そうしているうちに、いつの間にかこのF1.8シリーズも手持ちが増えてきました。2015年現在、Nikonから出ているF1.8の単焦点レンズは焦点距離が20mm、24mm、28mm、35mm、50mm、85mmと6種類ありますが、僕の手元には24mmと28mm以外の4種類があります。この際、全種類揃えようかという欲望もないわけではないですが、必要ないのに買うと単なるコレクションでしかなくなってしまいますし、先に買いたい機材はあります。また、その画角はNikonの最強レンズ24-70(旧型)でまかなえるかな、と考えております。その場合の開放はF2.8なので1と1/3段だけ暗くなりますが、その差のために単焦点レンズを買う必要を今のところ、感じていないわけです。F1.8よりさらに2/3段ほど明るいF1.4のレンズもありますが、価格が急に上がりますし、レンズも大きく重くなるので取り回しのしやすさとラインナップが揃っていることから僕はF1.8にしています。
このシリーズで最初に買ったのがこの50mm。これだけNikon Dfとセットで買ったSpecial Editionです。僕の独身最後の買い物であったカメラということで僕の中でだけ有名です。通常の50mmに比べ、ちょっとだけデザインが古めかしいところがあります。ということはNikon Dfには最新のレンズよりもちょっと古いレンズのほうが似合うということを自ら証明してしまっていることになります。写真の基本は50mmと言われるとおり、基本中の基本のレンズです。50mmのレンズは単焦点レンズの中でも最も安価です。僕はボケ味がどうのなどとはあまり言わないのですが、このレンズはそんな僕でさえも気になるくらい汚ないボケになる条件があるのが残念なところ。汚い、というよりも気持ち悪い感じです。でもまあ、それ以外では特に問題もないオーソドックスな優等生です。個人的にはAiシリーズのF2の50mmがすごく好きなのですが、そういう話は今回はやめておきましょう。
次にしばらくして買ったのがこの35mm。これは発売日に買いました。ボーナスがよくがんばってくれました。このF1.8シリーズの中では最も使っているレンズかと思います。35mmって使いやすいんです。広角としてちょうどいいというか。「写ルンです」も35mmくらいの画角だったはず。とすれば35mmというのは日本人の魂に染み込んでいる画角と言えるでしょう。だから、迷ったらとりあえず35mmにしとけ、ということもあります。見た目はちょっと垢抜けないですけど。
その次に手元に置いたのが85mm。85mmはポートレートを撮る王道のレンズ。これでポートレート以外を撮るなんてありえない!と叫ぶ狂信者もいるくらいです。友人のカメラマンが使っていたのを見て、うん、やっぱ85はいいな、と自分に言い聞かせて買いました。85mmの画角は中望遠レンズなので日常的にスナップを撮るときにはあまり持ち出しませんが、人物撮影ではやはりこれはいいです。性能も抜群です。85mmはレンズマウント部分から筒胴にかけてのくびれの曲線が美しいんです。望遠レンズはほとんどそうですが、このくびれがあることでよく写るぜ、と自らプレゼンテーションしているように見えるのです。
もっとも最近買って、即気に入ったのがこの20mm。超広角レンズである20mmでF1.8という明るさがいいです。これまでのラインナップにはなかった規格のレンズです。これがやっぱり、単焦点レンズらしくよく写るので気に入っています。7ヶ月になった娘をダイナミックに撮るのに便利ですが、広角レンズ特有のパースが効くので年頃の女性を撮るのには向いていません。広すぎるくらいの画角ですが、レンズは広ければ広いほどいい、という格言も僕の中で有名なとおり、使いこなす楽しみがあります。あと広角レンズなのでナノクリです。逆光に強いはずです。
このようにせっかく豊富なラインアップが揃っているNikonのF1.8シリーズですから、ニコンの一眼レフをお持ちの方はぜひ手元に一個おくことから始めてみてほしいと思います。ニコンの一眼レフをもっていなければ、ほら、そこにカメラ屋さんがあるではないですか。オススメはやはり最初は50mmなのですが、35mmでもいいかもしれません。必要なものから揃えていくのが一番です。必要なものがわからなければ50mmとりあえず買っとけと思います。そんな高くないですし。
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