iPhoneデストロイヤー

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その瞬間、僕の手を離れたiPhoneはさながら飼い主の手から飛び降りる子猫のようであった。この美しさに魅了されれば、画面に入ったヒビはもはやヒビではない。亀裂である。RGBの8bit×3の世界と現実の間に生じた亀裂はその表面たるガラスを否応なく意識させる。まるで水面のように、ガラスはずっとそこにあったのだと言わんばかりに。そうして、その亀裂がもつ作用によってデジタルの画面は初めて肉体性を持つこととなる。逆説的に、その亀裂は画面の消灯時には生じ得ない。亀裂は単にデジタルと物質のメディウムでしかないが、我々は亀裂自体を認識することは困難である。亀裂の存在によって明らかとされた境界も、都度姿を変え、我々を欺く月明かりのようなものなのだ。

 

 

 

 

…という夢を見ました。Apple Careに入っていて不幸中の幸いでした。