未知との遭遇ネコ
多分飼い猫なのだと思いますが、いや、確実に飼い猫なのですが、じっと僕のことを見つめてくるネコがいました。近所なのにずっと気づかずいたとは。普段は野良猫に遭遇しても「にゃー」などと決して話しかけずにいる僕ですからネコの方から歩み寄られるとはにゃんとも意外でした。いや、僕ではなく、おそらくカメラが気になっていたのですね。一枚撮ってあげてこんな風に撮れましたが、とカメラの背面液晶を見せたら食い入るように画面を見ていました。カメラが珍しいのでしょうか。
そう考えると、野良猫はおそらくかなり撮られ慣れているはず。プロのモデルのような野良猫もいます。別に一眼レフでなくとも、携帯とかなんかで。ネコにとってはそれの形状よりも自分に何か向けられていることのほうに気を取られるでしょう。それに対してこのネコは家人が写真を撮らないのでしょうか、カメラというものに初めて会ったような顔をしています。
一歳だったか、一歳半だったかの幼児は鏡の中の自分を見て初めて自己を認識するという話がありますが、そんな状態のようでした。このネコ。撮った写真を差し上げたいところですが、僕とネコは窓という障害で隔てられているため、叶いませんでした。野良猫にも写真はあげたことはありませんがね。
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