D850、デファレンスメーカーですってよ
こんにちは、連日続くD850熱です。これが発売まであと1ヶ月くらいあったらテンションも低めで乗り切れますが、なんてったって来週ですからね。隠しきれないこの情熱。必然的にブログもD850特集になるわけです。
本日のテーマです。海外のカタログって国内版と仕様が違うのですね。単に翻訳しただけかと思いきや、やはりカメラに求めるものが文化差があるんでしょうね。あんまり興味がなかったので初めて知りました。その中で、D850の海外版カタログは末尾3ページにわたってD5、D750との違いが表になっていました。画素数が違うとか、そういう表面的なところは当たり前なので、ちょっとマニアックな差や新機能にフォーカスを当てて特集します。ちなみに国内版のコピーが「I AM THE D850」なのが海外版は「I AM THE DIFFERENCE MAKER」となっています。どういう事情でしょうか。やはり英語のニュアンス的には「いや、俺カメラじゃねーし、マイケルだし」って感覚なのでしょうか。
アッテネーター
動画撮影の際に大きい音をクリアにする機能です。便利ですが、不必要なところで使うと声質が変わったりもするそうです。Nikonでは初めてなんじゃないでしょうか。D5、D750ともについてません。CANONだと7D Mark2なんかにもついてました。
ピンポイントAF
ライブビュー時にさらに細かいポイントでAFできるという新機能。試してないのでわかりませんが、ブツ撮りや三脚を使った風景写真なんかで重宝しそうですね。ただ、ブツ撮りだったら拡大してMFというのがよく使われる方法と思われるので、それにとって代わるほど便利な機能かどうか、楽しみです。ピンポイントのAFと言えばポートレートでモデルのまつ毛にフォーカスを合わせる場面があまりにも有名ですが、多少なりとも、動きものにまで対応できるものでしょうか。そして、ポートレートならファインダー覗いて撮りたいなぁと思うのは古い人間でしょうか。
正方形の画角での撮影
これ、D850からの新機能で、今までありそうでなかったんですよねえ。意外です。正方形だと3000万画素ほどになります。まったく高画素ですね。ぜひともSnapbridge機能を使って撮った写真をその場でスマホにコピーした上で、インスタグラムにアップしてハッシュタグをつけてたくさんのいいね!を獲得してくれ、というNikon側の思惑を感じます。ただ、あいにく僕は現像をカメラ側では行う習慣がないので使わないかもしれません。普通に撮って後で正方形にトリミングする方が好きです。ウエストレベルファインダーができるわけでもないですからね。あとSnapbridgeはかなり不評があるようですが、不具合は解消しているのでしょうか。
過去最高のファインダー倍率
ファインダーの見え方というと視野率ばかりが重視されがちですが、だいたい中級機以上が視野率100%を達成している現在のデジタル一眼レフ分野において、比較できるのはファインダー倍率です。ファインダーの中で像がどのくらいの大きさで見えているか、という指標ですね。もちろん、いわゆるフィルムと同じセンサーのフルサイズ機と、より小さいセンサーのAPS-C機ではもとのサイズが違うため、倍率は比較できなくなります。D850は0.75倍で、フラグシップ機D5の0.72倍を超えてきました。単純に言えば見やすいということですが、ファインダーによっては四隅が見づらくなる可能性もあります。もちろんその辺りは見やすいようにメーカーが調整していると思います。
デジタル一眼レフはファインダー内に露出や残りの撮影可能枚数、露出の設定など、いろいろと表示しているため、なかなかフィルムカメラのような高い倍率はできないと聞いたことがあります。これはオートフォーカスが発達してきているからでもあります。ゆえに、マニュアルフォーカスでピントを合わせるなら未だにフィルムカメラのほうが優位です。フィルムの一眼レフは0.8倍とか0.9倍のファインダー倍率のカメラも珍しくありません。
いずれにせよ、D850のファインダーの見易さが抜群なことに変わりはありません。独特なカーブを描いているペンタ部も、ファインダーの設計と関連があるのでしょうか(愛でたくなる曲線美)。ここで光学ファインダーに大きく力を入れることはミラーレス化しつつあるデジタルカメラ市場に一石を投じようとするNikonの挑戦に僕は勝手に感じました。やっぱいいよね、光学ファインダー。
サイレント撮影モード
デジタルカメラは常にシャッター音との葛藤がありました。一眼レフはシャッター音とミラーの駆動音が合わさってかなり大きいです(この2つを別物と思ってない人もいますが)。ミラーレスカメラでさえ、シャッター幕があるため、完全に無音でシャッターを切ることはできません。静かなコンサートではそのくらいの音でさえ耳につきます。現状、唯一の解決法がコンデジやスマホに搭載されている電子シャッター。D850はその電子シャッターで秒6コマの連射速度をキープしたまま4500万画素で撮影できます。おそらく、完全な無音で撮影できると予想しています。わざわざカタログに、プログラムオートとシャッター優先時に絞り駆動音が発生する、と書いているくらいですので。逆に言えば絞り駆動音が気になるレベルの無音ということです。ミラーレスカメラでは、ソニーのα9が無音撮影かつ秒20コマなんて離れ業を成し遂げていますが、あちらは電子シャッター専用機のようなものですからね(ソニーの恐ろしさについてはいずれ書きたいと思っています)。加えて、800万画素であれば秒30コマで撮影できるモードもあり、これは前も書きましたが、ミラーレスのメーカーが4Kフォトと呼んでる、いわゆる切り出しのためのモードですね。どちらのモードも早々に試してみたい機能です。
背面液晶のタッチスクリーン
これはエントリー機に先行して搭載された機能ですが、D5、D750にはなく、フルサイズのNikon機ではD850に初搭載されています。先日のファンミーティングで実機触って意外と便利だな、と感じました。ライブビューで撮影時にAFを合わせ、シャッターを切るだけでなく、撮影した写真を表示するときもピンチなどが使えます。今のデジタルネイティブな子どもたちにとっては液晶はタッチするもの、というような感覚があるはずなので、カメラもタッチスクリーンではないほうが珍しい時代になると思います。
他にもマニュアルフォーカス時のピーキング機能(ピントが合っているところが強調される)や、深度合成用のフォーカスシフト撮影など、D850になって初めて搭載された機能が多くあります。いろんな使い方を想定して、それに対して機能を盛り込んでいるなと、Nikon様の御心遣いがよく感じられるカメラです。それでいて、トイカメラモードなどの余計な機能が盛り込まれなかったのはさすが上級機ですね。
全ての機能を使いこなすなんてのはカメラライターなどの専門職でない限り、無理でしょう。D850ユーザーがひとりひとりがそれぞれ違った使い方をする、それこそがNikonがこのD850に込めた願いなのかもしれません。その意味で、「I AM THE D850」というコピーが生まれたのかもしれません。であるならば海外の「I AM THE DIFFERENCE MAKER」のコピーも納得。D850ユーザーひとりひとりが他のD850ユーザーと違いがあるのです。こじつけです。D850の懐の深さはスマホカメラの被写界深度よりも深いのであります。あとはDfやD5でやっていた名入れサービスをやってくれれば完璧ですよね。
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