ないなら作ればいいじゃない!フォトグラファーのためのデスクライト

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こんばんは、本日のテーマは写真を撮る者ならば誰しも気になる、色合わせ。一体、自分が撮影した写真は正確な色を描いているのだろうか、私は自分の思う色を作り出せているだろうか、そもそも私のパソコンのモニターは正確な色を表示しているのだろうか、いや、私自身、世界を正しい色で見ているのだろうか、正しい色とは何か、私が思う赤色は実はみんなにとっては緑色ではないのか、真実はどこなのか、迷うほど遠ざかる青い星…考え出すとデカルト的な哲学観へと入り込んでいきます。これをきっかけとして哲学の道を志すもよいですが、一旦線引きして見えるものと表示しているものが同じ色かどうか、という程度で我々は話を止めておきましょう。正しい色を見るために、ちゃんとしたPCモニターを使うのはフォトグラファーにとっては大事です。いわゆる、カラーキャリブレーション、カラーマッチングできるモニターというやつですね。モニターが表示できる色域もAdobe RGB(普通のに比べて主に緑色が深く表現できる)をカバーしているのが選ばれます。僕もそんなのを使っております。

モニターをよいのにしたその次に、環境光を整えたいものです。つまり、モニターがよくてもそれを見る環境がよくなくてはダメですし、プリントしたものとモニターを比べるならばなおのこと大事です。環境光を評価するのに一般的な尺度が2つあります。簡単なのでフォトグラファーでなくともぜひ覚えていただきたいところです。

  • 色温度(ケルビン)

色温度、デジカメを使っていれば一般的だと思います。太陽光、とか曇り、とか、オート、などを選べますね。それらはケルビン(K)という数字で表すことができます。メーカーによって異なりますが太陽光ですと5500Kくらい、くもりだと6500K、電球だと2700Kとかです。数字が低いほど暖かい光(暖色系)、高くなれば青っぽい光(寒色系)です。パソコンのモニターはどうかというと、一般的なWindowsですと6500Kに設定されていることが多いです。フォトグラファーは5000Kに合わせている人が多いです。よく蛍光灯やLEDで「白昼色」「昼光色」などとわかりづらい名前がついていますが、これも色温度を表しています。

  • 演色性(Ra)

プリズムをイメージしてもらえるとよいのですが、光は赤、黄色、青、緑…と様々な色の波長に分解できます。演色性とはその光がどれだけ豊富な波長の色を含んでいるかということを示すものです。これはRaという数字で表すことになっていて、太陽光がRa100で基準となっております。太陽光っていろんな色を満遍なく含んでいるのですね。反対に、演色性が低いと色がくすんで見えます。一般的な蛍光灯はRa80くらいと言われています。演色性のよい三色蛍光灯だとRa88ほど。色評価用の蛍光灯というものもあり、これはRa98もあります。LEDは実は演色性はあまりよくなく、ひどいものだとRa60台などもあります。しかし、最近は演色性のよさを売りにしたLEDも見るようになりました。気になってうちの水槽のLEDをチェックしてみたところ、白のLEDのほか、赤と青の単色LEDが入っていました。足りない波長を補っているのでしょう。考えれば当たり前ですが、水草は太陽光に近いほどよく光合成しますからね。

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そんなわけで、ちょっと前に僕はペンダントライトをつくりましたが、今回はデスクライトを作ることにしました。やはりモニターに合わせて色温度5000Kで、かつなるべく演色性の高いものが写真用には望ましいです。部屋全体の照明を変えればよいのですが、現在、娘の寝室と同室で作業しているため、娘が寝入ったのちに、手元だけ照らせるのが条件でした。また、これからのは蛍光灯よりもLEDの時代なのでLEDでつくることにしました。プロ用モニターの大手、EIZOからLEDのデスクライトは販売されているのですが、いかんせん僕には高価です。

そこで今回選んだのがテープ状になっているLED。その名もテープLEDです。秋葉原を歩き回って5000KでRa94という高演色な素晴らしいLEDに出会えました。1m単位で売っていましたので2本買いました。それを東急ハンズで買った焼入りのバネ鋼に貼り付けます。LEDは1m×2をカットして50cm×4にし、久しぶりに半田付けをして直列でつなげました。結果、明るすぎるくらいの照明になりました。50cm×2でもよかったかもしれません。バネ鋼は予算と加工性とバネっぽさを考えて0.5mm厚にしました。かかったお金は新品の半田ごてと半田つきで12000円。我が家の経費で落ちますか?そうですか、無理ですか。1mだったら半分くらいで済みましたね。このLEDはとてもよいので、長さを調整して撮影用の定常光としても使えそうです。

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このデザインを説明いたしますと、第一に、ベースがバネ鋼ですので支点次第でバネのしなり具合が変化することが特長です。つまり、バネ鋼の端を持てばバネは大きくしなるし、真ん中あたりを持てばバネはあまりしならないということですから、照明の角度を微調整できるのです。これにより、寝ている娘には照明が届かず、僕の作業場だけを照らし、かつモニターに光源が写り込まない絶妙な角度を思考錯誤してうみ出すことができます。第二に、当たり前ですが、バネ鋼は金属なのでLEDの熱を発散させるのに他の素材よりよいはずです。他の素材は試してないのでわかりませんが、バネ鋼を試しに触ったら熱かったのでそれなりに効果はあるでしょう(ほんとに熱かったです)。三つめに、高い演色性の明かりは電球色ではない白色でもけっこう落ち着きます。写真を本格的にやらない人にも高い演色性の照明をすすめたくなります。プラセボと笑うやつは笑わせておけばいいさ。四つめとして、照明が明るすぎたら接続を外して4本中2本だけ点灯させることができます。娘が意外と寝付かない夜はいつもよりちょっと暗くして父親として臨機応変に対応したいです。最後に、無骨な見た目のわりに、バネのしなりが繊細なイメージがあり、かっこいいです。ススキを活けるような感じをイメージしました。なんでススキかというと、バネを見てそう思ったからです。本末転倒ですね。ゆくゆくは現代ジャパニズムな感性のこの照明を商品化して輸出業にいそしみたいです。本末転倒ですね。

2015-06-24 | カテゴリー カメラ | タグ

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