結婚式はお金がない人こそした方がいい、結婚こそがウエディングです

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結婚式場とのトラブルが増えている、とのニュースを先日みました。どうも、キャンセル料だの、オプションだの言った言わないだのがトラブルの原因になっているようです。ビジネス的に考えるならば基本的なところでまず書面に残すべきだろう、と思うところですが、しかしながら、そういうトラブルを引き起こす式場は書面を作ったら作ったで保険会社かスマホのアプリの利用規約かというくらいに細かい字を並べ立てて利用者の読む気をいかに削ぐかということといかに自分が損をしないか、ということばかりを考えて作成したんだな、という意図が書面から簡単に読み取れる書面になることは想像にたやすいところです。

また、お金がないから結婚式はしない、という人が増えているとニュースを見た記憶がうっすらとあります。今の日本の一般的な結婚式はお金を積めば積むほど立派にできるシステムになっています。なんかのシステムに似てますね。でも、そうじゃなくともいいウエディングはできます。僕がそうでした。お金がないのを理由にするのはもったいないです。

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僕と妻の結婚式は2年前の12月です。それを思い出し、また、先日、担当していただいたプランナーさんと久しぶりにお会いしてお話をしたことがきっかけて、今回、キーボードを打ち始めました。当時、準備にとりかかったのが7月ですから、一般的には遅めですね。会場を下見して回って、最終的に会場を決めるのに一ヶ月かかり、打ち合わせは8月から始まりました。

僕は実はもともと結婚式に興味がなかったのです。それが、どういう経緯かは忘れましたがやることになって、それならどうせなら、と本気で取り組むことにしたのです。

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会場下見では空間の質にひたすらこだわりました。空間さえよければウエディングの会場でなくともレンタルできればそこでやろう、というつもりでした。結局、著名建築家の設計した会場を選びました。いわゆる教会風のウエディングホールで牧師さんの格好をした外国人にあえて片言の日本語で聖書の説法を受けるのは僕(と妻)には合わなかったのです。なので、式自体は別日、別会場で親族中心でごく質素に行い、こちらの会場で行うウエディングパーティーに力を注ぎました。

ウエディングフォトも仕事である妻は同時に担当者も見ていたようで、僕の大変気に入った会場で一番素晴らしいプランナーさんと出会えました。僕のどんなに素っ頓狂なアイデアも、とりあえず一旦は真面目に聞いてくれました。その上で実現可能性を模索したり、ゲストのことを考慮し、スケジュール全体を見て意見をくださるような方でした。具体的にはパイ投げとビールかけです。それと、会場にあったピアノで僕がジョン・ケージの「4分33秒」を演奏しようとしました。これは最後まで悩み抜き、検討を重ねた末に却下となりました。僕と妻だけの話し合いだと衝突不可避の話題も華麗に仲裁していただきました。打ち合わせは毎回数時間に及びましたが、本当に親身になって話し合っていただきました。

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最終的に、かなりオリジナル色の強い、思い描いていた以上のウエディングを作り上げることができました。細かいところは省きますが、招待状(文面も最後までプランナーさんにチェックしていただきました)、二人の紹介ビデオ、席次を色で分けたネームプレート兼ドリンクホルダーを手作り。多肉植物を装花にし、プチギフトと兼ねました。また、ストロボを持ち込んで記念写真ブースを作り、友人のバンドにも演奏してもらいました(書き下ろしの曲をいただきました!)

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オリジナルで作ったものに関しては自分たちでデザインした分、時間はかかりましたが費用はだいぶ抑えることができました。また、衣装もカジュアルめなものにし、お金を節約しました。その代わりというわけではありませんが、僕はお色直しで甲冑を装備させていただきました。上の写真は試着時のものです。カメラマンが多いため、写真は自分たちでまかなえるので特に外部カメラマンは使いませんでした。その分、撮影後のアルバム化にも時間がかかりましたが、150ページくらいの普通のウエディングでは作れないボリュームで作ることができました。自作ですので、出席した皆様に見開きpdfでお送りすることもできました。URLを送られた相手が要る要らないは別として。

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4ヶ月でまとめあげたため、仕事の他の時間はこのウェディングパーティーのことばかりでした。しかし、自分たちでやれることをやったため、最終的な費用の自分たちの持ち出し分はズバリざくっと30万円ほどでした(お越しいただいた皆さんからは祝儀ではなく、会費という形式で頂戴させていただきましたが、一般的な祝儀の額より安価です)。これだけで済んでよいのか、という思いもありましたが、削るところと、こだわるところをしっかり分けたことがよかったのかなという結論です。こだわるところも、そのこだわりゆえに自分たちでできることは自分たちでやったことが結果的に費用に反映されたのかと思います。

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打ち合わせを始めた頃、プランナーさんに言われた言葉で今でも覚えている(というのは嘘で先日お話ししているときに思い出した)言葉があります。それは「テーマをまず決めてください」ということでした。決めたテーマが何かということについてはお越しいただいた皆さんに想像いただくとして、そこからの打ち合わせはまるで学生時代を彷彿とさせるものでした。テーマを定め、アイデアを出し、スケジュールどおり(?)にそれをまとめて仕上げていく、デザインの過程です。妻も毎回の打ち合わせを授業のようと比喩していました。先日、プランナーさんも話していたのですが、こうしてひとつの式を二人でまとめていく作業はお互いがお互いを理解できるよい機会でもあります。もちろん、その中でピアノを弾きたいだのいいや弾くなだの、ケンカもあるでしょうが、僕たちの場合は揉めた意見はプランナーさんに持っていけば解決してもらえる、という妙な信頼もありました。おかげで、お越しいただいた皆さんにはそこそこ楽しんでいただけたのではないかという変な自信もあります。

まとめると、そもそも最初に空間にひたすらこだわって会場を探したのもよかったのだと思います。そのときに運良く、素晴らしいプランナーさんに出会えたこと。加えて、中身も、自分たちで作ることで安価に仕上げられたこと、そして、参加してくれた良き友人たち。良いのか悪いのかは判断できませんが、いわゆるな結婚雑誌は結局一回も手に取りませんでした。

我が家はお金の代わりに時間をかけ、4ヶ月に集中して仕上げましたが、日取りに余裕をもって行えば日々のお仕事が忙しい人でも可能です。僕もそうした結婚式に参加したいと思います。もし、結婚式をやるかどうか悩んでいる人たちがこの記事を見て、少しでも後押しになってくれると幸いです。あえて、タイトルの言葉を繰り返すと結婚こそがウエディングです。最後に、先日、プランナーさんから結婚10年後にまたパーティーをやることをご提案いただきました。なので、今からだと8年後ですが、覚えていたらやろうかなと思いますので皆様、ぜひその際はよしなに。次はもう少しお金をかけてみたい、いや、かけられるような年収になっていたい、ぜひ、そうなってほしい、日本経済……僕もがんばります。

2015-12-07 | カテゴリー 考えごと | タグ

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