線香花火と夏の終わりと流行りの蚊

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夏の終わりは線香花火。別に夏の途中で楽しんでもいいのですが、散る花火のイメージが強い線香花火は侘び寂びを感じさせる、子供なんぞにはその魅力が伝わりにくく、実に奥ゆかしい花火としてよく知られています。その線香花火、東日本と西日本で違うことをこの夏初めて知りました。そこで早速それをいんたーねっとで買い求め、今年もよく撮った花火の締めくくりとして線香花火の撮り方を考えよう、と遊んでみたわけです。中身としては変わるわけではないのですが、西日本のもののほうが線香花火の線香らしさがある形状をしております。持ち手が棒状のために固定がしやすく、撮影には適しているようです。実際、撮影時は線香花火を手持ちするのは被写体ブレの原因にしかならないので、パーマセルテープで固定して行いました。

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撮影においては花火を固定する場所の確保がまず大事です。東京はとにかく花火のみならず、ボール遊びや鬼ごっこなどが規制されている公園が多いです。ウチの近所は幸いにも大きな音の出る花火と打ち上げ花火が禁止されていたのみ、線香花火だけを楽しんでくれといわんばかりの絶好の公園でした。機材としてはマクロレンズとまではいかずともある程度接写に強いもの、三脚、それと終わった花火を入れるバケツ(あらかじめ水をいれておこう)と忘れがちなライターです。露出はだいたい通常の花火と同じくらいのようでした。上の斜視はバルブで撮ってみたもので、線香花火にあるまじき荒々しさが残るものとなってしまいました。線香花火の場合、長時間露光するのは考えつつ行うのがよいようです。線香花火の中心部分が燃え尽きていくのが中心の炎でわかります。

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一方、これは同じバルブで撮ったものですが、線香花火のいわゆる2段階目、最初の火の玉が落下した後の、なんていうんでしょうね。アレです。あの状態を撮ったものです。オーソドックスな花火の撮り方と同じ、f11、バルブ、ISO100。

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これはその間くらい。火の玉が落ちる瞬間も写っています。

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線香花火の代表的な美しさである前半の火花を捉えるために、シャッタースピードを色々と調整して撮ってみました。1/4〜1/8くらいが望ましいような気がしました。これは被写界深度を浅くするために180mmのマクロレンズの最短撮影距離付近で開放で撮影しています。露出によってはISOを400〜800にあげてもよいと思います。幻想的な雰囲気だけは出てるのではないかと思います。連射してよいカットを後で選ぶのが楽です。ホワイトバランスはオートにしておくと同じ花火でも色味が変わってしまう可能性があるので、固定しておくのがオススメです。

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上と同じ条件で撮影した写真を合成しました。上の写真では空間がいくらなんでも寂しすぎる、線香花火の気まぐれな火花に振り回されるのはもういやだ、という貴兄はこのような撮り方もいかがでしょうか。180mmマクロでは大きなボケが期待できますが、パースをつけるために広角マクロを使うのも方法かな、と考えました。40mmマクロを使ってみようかと準備しましたが、線香花火の火花がレンズにあたるくらいには寄ることができてしまうので危険を感じ、中止しました。どうでもいいプロテクトフィルターを犠牲にしていずれ挑戦してみるつもりです。

さて、夏の夜の公園といえば蚊です。この日、虫除けスプレーを全身に吹き、万全のコンディションで花火に集中できるように臨んだつもりだったのですが、なんと耳の裏を喰われました。油断大敵。耳無し芳一を彷彿とさせる出来事でした。これを撮影した日はまだニュースがちらほらと流れ出した頃だったのですが、流行りの熱がでなくてよかったです。

2014-09-09 | カテゴリー 写真 | タグ

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